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みんなが意外に知らない瞳の秘密

瞳は目に童と書きます。童とは「わらべ」で子供のことです。童歌(わらべうた)と言えば、意味がわかるでしょう。相手の黒目を近づいて見ると小さな人形が映ります。当然それは観察者の影なんですがそれを童子のように見えたから瞳と名付けられたのでしょう。

面白いことは英語ではpupil と言いますがこれも生徒(小さな人形)という意味です。とても不思議ですね。名付けも不思議ですが意外に知られていない機能もあります。

瞳の大きさでぼやけたり、はっきり見えたり

一眼レフのカメラの操作を理解している方はよく分かると思いますが、瞳の機能はカメラでいうと「絞り(しぼり)」に相当します。初心者が失敗するのが集合写真を撮った時に絞りを広げすぎてピントを合わせた人物ははっきり写っているのですが前後の列の人の顔がピンぼけになったりすることです。花の拡大写真を撮る時に雄しべを綺麗に写し、花弁をぼかす技術は絞りの広げ方にかかっています。

逆に使い捨てカメラというのがありますがピントを合わせる機能が付いていないことに意外に気が付いていません。高価なデジタルカメラはオートフォーカス機能がありますが使い捨てカメラにはそんなものがなくても結構綺麗に撮れます。

しかしよく見ると数メートル先の人物は綺麗に写っているのはわかりますが遠方のビルや山のいただきにも焦点が合っているように綺麗に見えます。これは絞りを絞ってピンホール(針穴)にすると起きる現象です。ピンホール眼鏡はこの効果を利用しています。

つまり、瞳が大きく開いているとピントが合う範囲が狭くなり、瞳が小さいとピントが合う距離が広くなり、遠くも近くも見やすくなります。

夜の宴会の集合写真で赤目の人とそうでない人の違いは?

インスタントカメラでの写真の現像を見るのはちょっとワクワクしたりします。今時はスマホやデジタルカメラでその場で写り具合を確認できますがインスタントカメラの場合は写真が出来上がるまでわかりません。

夜間の撮影時の写真では黒目のところが真っ赤になっていることがあります。これは瞳が開いていて網膜の赤い反射が反映されています。よく見ると赤目の人とそうでない人がいるかもしれません。なぜ、違いが起きるのか考えてみましょう。

瞳の大きさは自律神経の働きによる要素が大きい

交感神経が亢進すると瞳が大きくなり、逆に副交感神経の働きが活発になると縮瞳してきます。要は興奮していると瞳が大きく、身体がだるいような時には瞳が小さくなります。夜の酒場で盛り上がり、さらに二次会、三次会もというイケイケの状態というのは交感神経優位状態ですから瞳が開き赤目になってしまいます。

例えばジャングルででかい虎に出くわした時にどうなるかというと、一目散に逃げるか、あるいは無謀にも戦わなければなりません。どちらにしろ、こんな時には交感神経が最大限に働き、アドレナリンが出まくります。生きるか死ぬかという事態ですから心臓はバクバクし、内臓の働きなどにかまっている場合ではありません。そんな時には瞳が目一杯開きます。

カップルの場合、相手の瞳が開いていると積極的になっているので次の行動に誘いやすいと書いてある記事がありましたがそうかもしれません。では、赤目にならない人はどうかというと副交感神経が優位になっている状態、つまり眠たくなり、もう帰りたいな、という状態の人たちです。

白内障術後でも老眼鏡が必要のない人々

白内障の手術は濁っていると言っても多少の弾力性があり調節力も認められます。しかし調節力のないシリコン製などの人工レンズと交換すれば当然老眼が強くなってしまいます。そこで二重焦点人工レンズの登場となるのですが弱点は薄暗くなった時に見にくくなってしまうのです。

しかし中に旧来の単焦点レンズでも不自由していない患者さんもいます。その方々は瞳が小さい傾向があります。そうです、ピンホール効果で焦点深度が深く、つまりピントが合う距離が長くなるということです。

暗順応は瞳の反応と関係がある

映画館など急に暗いところに入ると慣れるのに時間がかかる人がいます。暗いところでは光の量が少ないので光を多く取り入れようと瞳が開かなければいけません。

この反応が早い人、遅い人がいます。疲労時や加齢により反応は遅くなります。また、糖尿病歴の長い人は特に遅い場合があります。特に網膜症でレーザー治療も施行されている患者さんは散瞳剤の点眼液でもなかなか開きにくくなります。

また、逆に交感神経が非常に高ぶっているとお天気の良い日に屋外に出ると瞳が広くなった分だけまぶしく感じることがあります。

暗いところで本を読むことの弊害

視力回復をうたっている書籍が色々ありますが、そういった中に暗いところで目を使うと良い、というものがあり、少し首をかしげたくなります。そのような主張には近視が治る根拠が薄いのです。

自身の体験によるのだろうが、近視のすすんだ子供たちやその親たちの話を聞くと暗いところで本を読んで目が悪くなっている経験が多いのです。

暗いところでは自然と瞳がひらきます。すでに説明した焦点の合う距離が短くなるので、明るい時には楽に見えていた文字もピントが会いづらくなり、目を凝らすことになり、近視が進みます。

特に夏の終わりから秋、冬にかけて日の落ちるのがどんどん早くなります。つるべ落としのごとくとはまさにこのことです。学校から帰ってきて宿題をやっていて、気がついたら真っ暗な部屋で本を読んでいたという時などに近視が進みます。実際、夏よりも秋に近視が進む事が多いのです。

瞳の動きで自律神経の働きを調べることができます

この様な瞳の収縮したり拡大したりする速さを計測する器械があり、ストレス度や疲労度を測定することもできます。

ほんべ眼科では米国アイリテック社の器械を使用して自律神経の状態や神経伝達速度を把握し、患者さんがストレスに強くさらされていないか、脳の疲労の程度をチェックし、患者さんの日常生活へのアドバイスをしています。自律神経の変化を唾液や血液で測定する方法もありますが、採血などの煩わしさもなく直接観測してその場で結果を見ることができるので重宝しています。

目は心の窓と言いますが、本当にそう思います。

近視の進行もストレスと関係がある

以上の事から近視も交感神経が優位な状態が続き瞳が拡大気味だとすると焦点が合いにくく、調節力をより強く使わなければなりませんから、瞳が小さく多少の距離は調節力を駆使しないでいる場合と比べるとやはり近視になる傾向が強いと思われます。

小中学生で気をつけていても近視が進行してしまう場合には自律神経のアンバランスが問題であるかもしれないので調整が必要かもしれません。

まとめ

瞳は眼科で見てもらっているわりに機能などを測定されることもないが、実は瞳の動きで自律神経の状態を知ることができるなど非常に重要である。
自律神経のアンバランス、特に交感神経の亢進が近視の進行に影響すると考えられるので近視の予防には自律神経の調整も必要である。

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