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オルソケラトロジーは効果あるのか?ナイトコンタクトは近視が進まないのは本当か?

ナイトコンタクトレンズをつけてどうなるのか?

かれこれ15年以上もナイトコンタクトレンズの処方をしてきました。ちまたに言われる様に近視になりにくいのは本当だろうかという問題に対して、当院の結果を報告したいと思います。今年(2017年)の1月から6月に受診した5年以上ナイトコンタクトを使用している再来患者217人の使用レンズの度数の変化を調査しました。

結果は全体の61%が近視の程度に変化がなかったことがわかりました。

15%は近視が改善していました。残りの16%はマイナス2D(ジオプター)未満で近視が進んでいて、残りの8%はマイナス2D以上の近視の進行がありました。近視の進行の患者について調べたところ、個々の目の使い方に問題があったことがわかりました。

当院ではナイトコンタクト治療もしていますがナイトコンタクトをするほどでもない子供には姿勢の改善、目の使い方、視力回復法を教えかなりの成果を上げています。しかし、本人や家庭での理解、視力回復トレーニングが十分にやられていないなどで近視が進む症例も少なくはないことがわかりました。

ナイトコンタクトの長期使用者はどうなのか?

2001年より治療を始めましたのですでに16年経過しました。

嬉しいのは、その頃の患者さんが未だに通ってくる事です。中には10年ぶりという猛者もいます。

診察室で患者さんを呼ぶ時に、前回はいつかなとカルテを見ると、おー、10年前か、レンズも駄目になって、またナイトコンタクトを始めたいのかな、と思って患者さんを呼びいれると、まだ当時のレンズを使っていたが片方を紛失したので来院した、という患者さんでした。もっとこまめに診察に来てよ、と思うとともに、こんなにナイトコンタクトを使ってくれてありがとう、という気持ちが湧いて来ます。

ここでもう1つ重要なことは多くの患者さんの視力が変わってないということです。

目を酷使する現代社会において視力に変化がないということの方が希少なことかもしれません。

ナイトコンタクトよありがとう

上記の10年ぶりの来訪者の症例の度数はなんとマイナス7.25と当院で処方するナイトコンタクトの一番強い度数だったのです。

これが10年以上たっても変わらずに近視が進んでいながったのです。驚きです。当院ではマイナス7.25ジオプターの強度近視でナイトコンタクトをしている人が少なからずいますが、近視が進行して諦めた人の割合は少数です。

中には近視が進みかけたけど、このままではできなくなると言うと、努力してマイナス7.25ジオプターのまま続けているうちに元に戻り、そのままの方もいました。

長年、一般のコンタクトレンズの処方の仕事をしていましたが、現代のオフィスの仕事ではどんどん近視が強くなってしまう患者さんが多くいました。

そういう経験をしているので10年以上も視力が変わらないという事はたいへん喜ばしい事でした。当の本人も、ナイトコンタクトは今では人生の一部でこれなしでは考えられませんと言っていました。診療をしていてこんなに嬉しいことはありません。

良い視力を保つ文化

眼鏡やコンタクトが近視の治療用具と誤解している眼科医が未だに多いのにも問題がありますが、眼鏡やコンタクトは現在の見にくさを改善する機能はあるが、決して治療用具ではないことをはっきりさせておきたいです。

なぜその様な誤解が生じるのであろうかと常々疑問に思います。

昭和24年といえば太平洋戦争が終わり、まだ戦後の混乱の余韻の残る時期です。3月11日から6年も経っているのに復興半ばの東北の被災地の現状と比較すれば分かりやすいでしょう。

その頃の子供の近視の程度(視力が1.0未満)は現在の3分の1以下です。

まだ、社会には戦前からのものの考え方が残っており、目の健康意識も現在とは違っていたと思われます。つまり目が悪くなれば眼鏡をかければどうってこともない、という現代的な考えも少なかったのではないかということです。視力を良いままで保つという意識は戦前からの日本の1つの健全な文化かもしれません。

裸眼でよく見える事が重要である

眼鏡が治療具であれば、そのうちに眼鏡がいらなくなった、という子供たちがいるはずですが、そんなことがあるでしょうか。

それどころか、1年から2年もすると眼鏡の度をより強くする事になっているのではないでしょうか。近視に関して多くの眼科医が誤った治療をしているか、眼鏡の説明が不十分なのか分かりません。

他院で眼鏡を処方された子供や父兄に話を聞くと、ただ眼鏡をかけなさいと言われただけで、目の使い方などは聞いてないとおっしゃいます。

近視になった理由は悪い目の使い方ですが、それを問題にせず、ただ眼鏡を使えば当然近視は進みます。さらに多くの眼科医はこう言います。眼鏡は必要な時に使うだけでなく、終日近くの本を読むときもかけていなさい。これでは近視が進んでもしょうがありません。

近視が進みマイナス6ジオプター以上の近視になるとただの近視ではなく強度近視と言われます。

強度近視になると網膜剥離、緑内障、網膜萎縮などの発生頻度が増加します。したがってこのような状態にさせないのが眼科医の使命と思われますが、このような近視になる一つには眼鏡が原因と思われます。

眼鏡は遠くが見えないので補助的に使うべきで眼鏡を近くを見るときにもかけることで近視が進んでいきます。見えないといって次々に眼鏡の度数を上げれば、あっという間に強度近視になってきます。

近視が進む症例

以前、大阪でナイトコンタクトの仕事を頼まれました。その時にナイトコンタクトをしていた子供の親がナイトコンタクトは視力が悪くならないと聞いていたが、この子はなぜ悪くなってくるんだ、とクレームをつけて来ました。よく見ると、その子供の手にはゲームボーイが握られていました。

現代社会はこの薬を飲んでいるから良いだろうとか、健康の問題を本質から考えないようにされています。

食事、運動、ストレスの処理の基本の事は説明されずに薬にだけ頼るという風潮があります。巨大資本によるテレビなどでの広告による刷り込みと思えます。

目も同様です。ナイトコンタクトさえすれば良いという訳でなく、せっかく裸眼でよく見えるようになり、目を細める事もなく遠くの景色も見えるのですから遠くを見ることを楽しめば良いのに、どこに行くにもゲームボーイ片手に時間があればゲームをしている目の使い方では目が悪くなってもしかたありません。

最近も横浜から通う小学生の女の子ですが近視が進んで来たので目の使い方の指導と視力回復トレーニングを教えたところ近視化は止まりました。親子で目の使い方やトレーニングがどれほど重要かを理解してくれました。

ナイトコンタクトと視力回復トレーニングでさらなる視力改善を

マイナス1未満から2ジオプターくらいの軽い近視の場合は視力回復トレーニングだけでも改善することがあります。したがって軽い近視の場合はすぐにナイトコンタクトをすすめずにトレーニングを進めますが、結果が出にくいタイプはナイトコンタクトの方がよいかもしれません。

ナイトコンタクトを始めてもトレーニングを続ければ視力はさらに改善が望めます。しかし多くの患者はよく見えてしまうとなかなかそれに慣れてしまいトレーニングをしない方が多くなってしまう傾向があります。少しでも近視を改善したいと思っている人は裸眼で生活するという状態を作りながらトレーニングするのが効果的でしょう。

まとめ

5年以上ナイトコンタクトを使用している患者のうち61%は度数が変わらず、15%は近視が改善していました。近視が進行した患者は24%いたが個々に調べると目の使い方に問題があったのです。近視が進行した患者でも視力回復の指導をしたら進行が止まりやすいです。

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