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視力低下で悩んでいる方に知ってほしい眼科医が教える目の調節力のお話

目の調節力の低下にはなかなか気づかれない

目の機能のチェックは視力だけではありませんが、一般的には視力だけが話題になります。

実際には両目で見る機能は重要で、他にも調節(遠くから近くまでを見る機能)、輻輳(両目を寄せる働き)、開散(両目を開く働き)、立体視(ものが立体的に見える機能)、空間認識などがあります。

それ以外にも色覚(色の分別機能)や視野(見える範囲)など様々な機能がありますが視力が一番わかりやすいので視力チェックで健康、不健康を分けているに過ぎないのです。

近視の人は調節力が低下している

眼鏡をかけている人は皆こう思っているでしょう。

眼鏡をかけて遠くも近くも見えるのだから裸眼でよく見える人と同じであると。しかし、そうではありません。眼鏡をかけているとかけてない時との空間の大きさが違います。当然小さく、狭くなっています。

したがって、遠くも近くも見えていると言っても裸眼の人の大きな空間ではありませんから、その分、調節力は弱くても同じように追っています。近視の目はその意味ですでに健康ではありません。

調節力は年齢とともに低下する

健康な目の子供達は夜の月の表面の陰影や星も見え、近くは7センチぐらいまでピントを合わすことができます。

レンズの度数にすると14ジオプターですから驚きです。40歳位になると4ジオプターくらいで、70歳を超えると限りなくゼロ、即ち調節する力が無いという状態に近づきます。

20歳や30歳の人は老眼はないと言ってますが厳密には調節力が低下しています。ただ近くが見にくいという自覚が無いだけで目の良い人は目の前7センチでピントを合わせる事は出来なくなっています。調節力の低下は年齢だけが低下の原因ではありません。

ナイトコンタクトで分かる子供の近視の調節力低下

始めてナイトコンタクトを試したお子さんが一週間後に受診すると母親や父親がよく言う言葉があります。

この子「老眼みたい」な仕草をするんですよ、と。遠くはよく見えるのですが近くが見にくくて本を離して読む事があります。

なぜかというと近視になって遠くが見えないので調節力が低下しているのです。それで、角膜を平坦にして半ば強制的に遠くが見えるようにしても調節力の改善がおっつかないので老眼みたいになってしまいます。

しかし、子供は回復力が高いのでもう一週間もすれば近くも問題なく見えてきます。

合わない眼鏡による目の疲れ

大人になると視力は変わらないと思っている人が多くいます。

実際には近視が進む事もありますし、改善する事もあります。60歳を過ぎた人が見にくくなったと言って来院しました。この年齢になると白内障の進行による近視化も見られますが、どうもそんなことでもありません。

よくよく話を聞くと、ここ数ヶ月パソコンにはまり長時間見ていたという事で若年者同様に単に近視が進行していたのです。

逆の例もあります。

30代の女性で寿退社で仕事を辞め、1年後の視力が大幅に改善していた例を見たことがあります。

このように知らずに視力が変化する事がありますから、合わない眼鏡をかけていてめが疲れるという患者さんは時々眼鏡チェックが必要です。

スグレものニデックの調節機能検査機

身体の変調も目にくる事があります。

患者さんの生活様式、仕事の仕方などを聞くとおおよそ調節力に問題があるのかどうかがわかりますが、それを今では目に見える形で表すことができるようになっています。

5年ほど前、ネットを見ていたらニデック社のAA2という調節機能検査機を見つけ、早速クリニックに採用しました。これは調節力の年齢による低下だけでなく見る距離による調節緊張が同時に測れるので重宝しています。

以前は調節力を測定するのにアコモド計と言って、遠方と近方の焦点の合う距離を測っていましたがそれではめが異常に緊張しているかどうかがは分かりませんでした。
最近NHKの健康バライティー番組で取り上げられて、それを目当てに患者が来院するようになりました。

この検査で目が疲れている人や不定愁訴の原因がわかり、患者への説明にも役にたっています。

仮性近視、つまり一過性調節力障害

ネットには仮性近視と同様な意味で偽近視の説明がありますが一般人が読んでも分かりにくいのです。

偽近視とは何かというと、存在するが治療対象では無い、とかそんなものは存在しないとか定義がむちゃくちゃです。

要するに眼科学会は近視の進行に対してまともに考えていないと言うことです。これでは日本では近視になっても俺たちは知らない、なったものが悪い、という事かもしれません。

これではいつまでたっても近視大国のまま、いや今以上に近視人口が増えさらには強度近視になり失明者を増やすことになってしまうでしょう。

仮性近視についても同様に全ての眼科医が納得する定義がないのです。

しかし、常識的に考えれば目の使い過ぎで一時的に近視状態になったと考えるのが普通でしょう。あわてて眼鏡を作らずに生活環境を改善させるのが一番です。

毛様体筋の筋緊張が近視になっていく要因

調節力に一番関わっている毛様体筋は脳神経のうちの三叉神経につながっています。

つまり毛様体筋の筋緊張は三叉神経を通じて大脳の下部の延髄に情報を送っているわけです。

三叉神経は顔面の傷の痛みなどを知覚する神経であり、脳にとってはこの刺激が常にあると回避行動を起こすわけで、その為に取ることは近視の状態にもっていこうとするのです。

近視になれば近くを長く見ていても筋緊張が少なくなり脳への嫌な情報が軽減されるからです。

そのような刺激が少なくなったのに眼鏡をかけて遠くを見やすくすることで近くを見ると再び筋緊張が再開して脳への刺激が増し、再び近視が悪化することになるのです。これもニデックのAA2で検査すると納得する事でしょう。

近視予防は遠くを見る時間を増やすこと

以上のことが分かれば、おのずと近視になりかけたら、自分の目の使い方を反省し、生活改善をして、近くを見て目を酷使する時間を減らし遠くを見る時間を増やすことが重要だと分かります。

車や電車で移動している場合、同乗のお子さんは本を読んだりしないで景色を見るといいです。

すでに近視が進んで遠くが見えなくなった状態の人はトレーニングを強化する必要があります。トレーニング方法はすでに別の項目で紹介していますのでそちらを参考にして下さい。

まとめ

遠近の調節力は年齢とともに衰え、40歳を過ぎると手元が見にくくなる人が増える。

また調節力は体調の変化や疲労、目の酷使により低下する。

毛様体筋の筋緊張は眼鏡でも矯正できない範囲を見たり、近くを見すぎることで起こり、脳に刺激を与え、さらなる近視を誘発する。仮性近視を放置していると戻りにくい近視になってくる。

近年開発された調節機能検査機が早期に筋緊張を発見し、眼精疲労やさらなる近視化を事前に予防することに役立つ。

2 Comments

田口 昭

私も目に自信が持てなくなりました。
情報頂きたく思います。よろしくお願いします。

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本部 千博

ブログを見ていだきありがとうございます。今後もよりよい記事を投稿できるようがんばります。

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