視力回復に役立つ本をまとめました。こちらをクリックすると著作・監修した本の一覧が見られます。

視力回復のために目と頚椎との深い関係を知っておこう

緑内障や白内障の患者さんで片方の目だけが他方と比べ病状の進行度が極端に差がある場合を見かけます。そういう場合、患者さんに首を悪くしたことがあるかを聞くようにしています。経験的に3割ほどが首に何らかの障害を受けたりしています。自覚がない人でも首の可動域が悪かったり、頚椎が歪んでいる場合が多いです。

必ずしも整形外科でのレントゲン写真に異常がなくても靭帯や腱の硬化などで神経を圧迫している場合もあります。若くして起きる白内障の場合には10年くらい前に野球のボールを当てたことがあるなどの既往があることが多いようです。この忘れていたような過去の打撲の後遺症を取り除くとやはり原因は頚椎の障害が多いと実感します。

背骨の骨から内臓支配の神経が伸びている

現代医学はどんどん細分化して、自分の病気はいったいどこの科へ行けば良いのだろうとおもうという声をよく聞きます。最近の大病院では総合受付があり、症状を訴えれば受付さんがそれは◯◯科へ行って下さいということになります。

腹が調子悪い時には内科や消化器科へ回されますが、中には背骨の異常により神経の働きが悪くて胃腸に障害が現れるということがあると思われますが、背骨を見る整形外科を受診して下さい、という事はなさそうです。実際には食べても太らない人やレバーなどを意識して食べても貧血が治らない人たちは胃の裏側の背骨に問題がある場合を多く見かけます。

逆に内臓の痛みが背中に放散している場合も多くあります。例えば膵臓の痛みや尿路結石などは背中の痛みを訴えます。そんな場合は整形外科へ行って下さいと案内されることもあります。

目と自律神経との関係

では目についてはというと、頚椎の異常、特に頚椎1番、2番のゆがみに大いに関係があると言われていますが下部頚椎の障害でも目に影響します。

自律神経系の解剖図譜を見るとよくわかりますが、自律神経は交感神経、副交感神経ともに首から神経が出て目に繋がっています。

興奮した状態、つまり交感神経が強く働くと瞳が開き、房水(目の中の水分)が産生され、下流の房水流出が低下します。つまり眼圧が高くなる方向へ向かいます。

これは近視の進行にも関与していると思われます。瞳が開くとカメラの絞りと同じでピントが合いにくくなり、目を凝らす事になり、これも近視の進行に関係するでしょう。

逆に副交感神経の高まる状態とはリラックスしている状態と考えても良いでしょう。この時はさきの交感神経の興奮状態とは逆の反応が起こります。瞳が小さくなり、眼圧が下がりようになります。つまり自律神経の適切な状態を維持する事が目の健康に、さらには身体全体の健康に重要である事がわかるでしょう。

加齢により頚椎が硬くなる

子供には先天的なものを除いて緑内障や白内障は認められません。ともに加齢による変化ですが、皆さんが同じ年齢で発症する訳ではありません。

緑内障も白内障も進行のスピードは様々です。白内障が認められますね、と言われてから、あれよあれよと進行し1年後には手術する事になる患者さんもいれば、10年も変化がない患者さんもみえます。

これも、頚椎の可動性の減少とともに、気エネルギー、血流および神経の働きの減弱が起き、頭頸部の異常のフィードバックが利かなくなり、様々な病気を発生すると考えるとつじつまが合います。

高齢の緑内障の興味深い症例

ある時、他院にかかっていた80才近くの女性が受診しました。眼圧が25以上あり、大変な患者かなと思いつつ、点眼剤を変更し経過を見ていましたら、段々と眼圧が下がってきて10台の前半まで下がってきました。

患者さんは以前から首が悪く、整形外科にも通っていて手術をする事になりました。術後の調子も良くなり再び当院に受診してましたがしばらくすると眼圧が上がってきました。

点眼剤を変更してみたりしましたが著効ということはありません。そんなことが続いていましたが、ある時眼圧が10そこそこと下がっていました。患者さんに話を聞くと、眼圧が高くなっているときは首が詰まっているように感じ、そんな時は一所懸命に散歩をしたと言うことでした。

散歩をすると首のコリが取れて楽になると言うことでしたが、そんな時に受診すると眼圧がすっかり落ち着いていて10台前半の数値になっていました。その後は受診する度に、今日は首の調子が悪いから眼圧が高いかもしれないと言う時は決まって20前後の数値になっていました。自身の病状を理解した患者さんは、今日は調子が悪いと自覚したら、少し長めの散歩をすると首のコリも取れ、目の状態も良くなるため散歩にはげんでいます。

いわゆるスマホ老眼と頚椎

最近また、わけのわからない造語ができました。スマホ老眼と言います。老眼とは加齢による調節力の低下と説明されればなるほどと思います。

年も取っていないのにスマホを使って老眼になるというのは訳がわからないと思いますが、要はスマホの使いすぎで調節力が低下し、老眼みたいな症状になった、という事でしょうか。

正確にはスマホの使いすぎによる調節障害、スマホ調節障害、スマホ仮性近視というものでしょう。ただ一過性の調節障害だけならスマホの使用時間を減らせばいいのですがスマホの場合、その姿勢に問題があります。駅のホームなどで観察していると良くわかります。

よくもこんなに首が傾くものだと感心するくらい前方に傾けている人をみかけますが、この姿勢を続けていると前方に湾曲しているはずの頚椎がまっすぐになり、いわゆるストレートネックになってしまいます。これにより首筋の凝りから上肢の症状、首から上の異常が起きてきます。

脳及び脊髄は全身の司令塔

脳やその延長である脊髄は重要であるがゆえに骨で囲まれて守られているのです。その骨が歪んでいれば良いわけがありません。

第二次世界大戦以降病気が増えていますが食生活の変化や過剰なストレス社会が病気の増える要因と言われれば、そうだろうな、と皆さん納得するのですが姿勢の悪さも重要な要素であるのです。

しかし正しい姿勢の基準を定めるのも難しいのか疫学研究が進みにくいのか、あまり問題にされません。なるほどと思った人から姿勢を正し、子供達にもお手本を見せるしかないのかもしれません。

まとめ

目の健康と頚部は密接な繋がりがあるが、専門分化により多くの眼科医は眼球以外には目がいかず、首の重要性についてはどんどん疎遠になってしまっています。

自律神経失調など自律神経の不安定さは目に大きな影響を与えていて緑内障、白内障は加齢により進行するが加齢による頚椎の硬さの進行と比例しているのではないかと考えられます。悪い姿勢で目を使うとスマホとの距離が近すぎるだけでなく、ストレートネックなどの頚椎の異常を引き起こし、さらに悪い状態になり得る。目の健康には姿勢の改善も必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です